フランスのストリートアーティスト、日本の警官に評価されず (時事雑誌「Le Point」のネット記事より)


Japon: l'artiste de rue français Clet Abraham déplaît à la police - Le Point





フランスのストリートアーティスト、日本の警官に評価されず




2015年1月15日


道路標識に一筆加えた作品で有名なフランス人ストリートアーティスト、クレ・アブラハム(Clet Abrahamが、日本の警官の悪評を買っていたことがわかった。警察は、京都と大阪で、進入禁止やその他の道路標識に装飾を施すことを手伝ったとして、一緒にいた日本人の交際相手を逮捕した。

アブラハム氏は、新年を過ごすため、数日間日本に滞在。京都や大阪で、道路標識などに“芸術的に”手を加えたことを認めている。

「これが私のアーティストとしての仕事です。」とAFP(フランス通信社)の電話取材に答え、自身を弁護した。

日本の警察にとっては、これらの“作品”が器物損壊に抵触し、道路交通法に違反するとされ、捜査の結果が待たれる。

交際相手は、日本のメディアが騒ぎ始めた後になって、大阪府警で事情聴取を受けた。


「パートナーに手伝ってもらったことは何度かありますが、これらは、私が(率先して)やったことであり、彼女に責任はありません。彼女は現在も勾留されていて、弁護士もまだついておらず、連絡を取る術が全くありません。」と、彼は現状を明らかにする。

彼自身は、数年前から住んでいるイタリアのフィレンツェに戻ったが、日本の捜査官からの連絡は一度もない。「私が日本に戻ることで彼女の罪が軽くなるのであれば、そうしようと思っています。」と言う。

「まさか、こんなことになるとは思ってもみませんでした。日本が他の国より厳格な国だということは聞いていたので、できるだけ目立たないよう注意しながら作品を仕上げました。万が一捕まっても、罰金程度だろうと。それなのに恋人が逮捕されるなんて・・・」と打ち明けた。

ブルターニュ地方出身のフランス人であるアブラハム氏は、自身の仕事が、“危険ではない”と断言しつつ、“違法になることもある”と認めている。

彼が変身させた道路標識(進入禁止の白線ををまたぐ人が加えられた標識 など)は、元の標識よりも目立つ。それに、“有り触れているほうがよほど危険”だと説く。

大阪とは逆に、海外の都市(パリを含む)は彼の作品に興味を示し、作品作りに協力してくれたという。

「日本人の厳格さや文化の違いをしっかり把握していなかったのが間違いだった。」と彼は後悔している。